自慢の大太刀を八双に構えたが、その途端、「ああっ、しもた!」と大声を上げた。(村上海賊の娘 和田竜)

4/02/22

本と映画

 

 
「宗勝っつぁん。またえらい威勢ようなったわしよ」からかうと、自慢の大太刀を八双に構えたが、その途端、「ああっ、しもた!」と大声を上げた。(村上海賊の娘 下巻第五章)

熱量がすごい。下巻の巻末に掲載されている参考文献の量もすごいが、本文中の史料に基づく記述の多彩さ。著者の研究ぶりがすごい。

架空の話でありながら、そこに含まれる一抹に歴史的事実。映像化を望む声をネットで多数見かけるが、実写化されると「パルクフィクション」、いや「土竜の唄」バリのヤバいやつらのバイオレンスアクションコメディになってしまうのではと思う展開ながら、事実がそこに適度なリアリティを添えている気がしました。

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